内縁関係とは
内縁関係は、婚姻届を提出していないが、お互い夫婦であると意識して生活している男女の関係をいいます。いわゆる法律婚の夫婦とは、婚姻届を出しているかいないかだけの違いであるため、婚姻に準ずる関係として、法的にも一定の権利・義務が認められると考えられます。
すなわち、法律婚の夫婦のように、内縁夫婦にも、民法752条の同居・協力・扶助義務が認められますので、生活費を分担しあう義務もあります。
同居義務自体は、違反があっても強制はできませんが、生活費の分担義務が果たされていない場合、一方は他方に対し、婚姻費用分担請求をすることができます。
また、貞操義務もありますので、内縁関係継続中に一方が不貞をしたら、慰謝料発生の契機となりますし、暴力や暴言等によって内縁関係を解消せざるを得なくなった場合や、不当な理由で内縁を解消させた場合にも、その原因となった当事者には、慰謝料支払義務が発生します。
さらに、内縁夫婦にも、法律婚の夫婦に認められる財産分与(民法768条)が認められます。
内縁関係と相続権
ただ、内縁夫婦は婚姻届を出していないため、一方が死亡した時に、他方は配偶者としての相続権は有しません。また、内縁夫婦の間に子供がいても、認知をしていなければ、その子は父親との関係では法的に非嫡出子としての扱いも受けません。